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2024.04.13|ブログ

TMS治療における脳細胞の変化、どの機能を改善させるのか、名古屋の美容皮膚科医が解説

TMS治療における脳細胞の変化、どの機能を改善させるのか、名古屋の美容皮膚科医が解説

 

こんにちは、Wスキンクリニック名古屋、院長の加藤晃司です。

 

今回は、TMS治療における脳細胞の変化、どの機能を改善させるのかについて解説します。

 

 

①TMS治療で脳細胞にどのような変化が起こるか?

 

頭蓋磁気刺激(TMS)治療は、脳の特定領域に対して磁気パルスを用いて非侵襲的に神経細胞の活動を刺激または抑制します。TMSによって脳細胞に起こる変化は、以下のように複数のレベルで観察されます。

 

  1. 神経細胞の活動性の変化

TMSによる直接的な影響は、対象となる神経細胞の活動性を変化させることです。磁気パルスが神経細胞を刺激することで、神経細胞の膜電位が変化し、その結果、ニューロンが発火しやすくなるか、または抑制されます。これにより、脳の特定の機能が促進されたり、抑制されたりします。

 

  1. 神経伝達物質の放出

TMSは、ドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリンなどの神経伝達物質の放出にも影響を及ぼします。これらの神経伝達物質は、気分、認知、運動機能など多岐にわたる脳の活動を調節しており、そのバランスの変化が治療効果に寄与すると考えられています。

 

  1. 神経可塑性の促進

TMSは長期的に神経細胞間の接続を変化させる神経可塑性を促進する可能性があります。これは、反復的にTMS(rTMS)を行うことで、脳内のシナプス伝達の効率を改善し、新しい神経回路の形成を促すことができることを意味します。

 

  1. 脳領域間の連携の改善

TMS治療は、特定の脳領域のみならず、脳全体のネットワーク機能に影響を与えることがあります。脳の異なる領域間の連携を改善することで、例えばうつ病の患者における情報処理のバランスを正常化し、症状の改善につながることが期待されます。

 

  1. 副作用としての認識

一方で、TMS治療は通常、安全で副作用が少ないとされていますが、頭痛、治療部位の不快感、希に発作を引き起こす可能性があります。これらの副作用は一時的で、治療の中断や終了後には解消されることが一般的です。

 

TMSによるこれらの変化は、うつ病、強迫性障害、片頭痛、統合失調症、パーキンソン病など、様々な神経精神医学的疾患の治療に有望な結果を示しています。

 

 

②TMS治療は脳機能のどの部分を改善するか?

 

経頭蓋磁気刺激(TMS: Transcranial Magnetic Stimulation)治療は、非侵襲的な脳刺激技術で、特定の脳領域に対して磁気パルスを用いて神経細胞の活動を調節します。TMS治療が改善を目指す脳機能の部分は、主に以下の通りです。

 

  1. 気分調節領域

うつ病治療において、TMSは主に左前頭前野(左側の背外側前頭前野)を標的とします。この領域の神経活動を高めることで、うつ病患者の気分を改善することが目的です。

 

  1. 認知機能

TMSは、認知機能の改善にも用いられることがあり、注意力や記憶、実行機能などの認知過程に影響を与える可能性があります。

 

  1. 中枢神経系の機能

運動障害の治療において、TMSは運動皮質を標的にすることで、パーキンソン病や脳卒中後のリハビリテーションにおいて運動機能の改善を目指します。

 

  1. 疼痛管理

慢性疼痛の管理において、TMSは痛みを処理する脳の領域(例:一次運動野)を標的とすることで、疼痛の軽減を目指します。

 

  1. 強迫性障害(OCD)や不安障害

TMSは、これらの状態に関連する脳回路、特に前帯状回や前頭前野などの活動を調節することで、症状の軽減を目指します。

 

 

まとめ

 

今回は、TMS治療における脳細胞の変化、どの機能を改善させるのかについて解説しました。

 

TMS治療により、脳細胞にはいくつかのメカニズムでプラスの変化が起きています。

 

特に、神経活動の調節、神経可塑性の促進は内服治療ではなかなか起こしにくいことだと思います。

 

だから認知症や、疼痛管理、運動機能改善、などにもTMS治療が使われてます。

 

脳細胞のアンチエイジング治療の一つと考えることもできると思います。

 

 

医療法人永朋会 理事長

加藤 晃司

 

 

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